
『寒露』末候、きりぎりす戸に在り
皆さま、こんにちは。のレンリテール部の岩崎です。
『七十二候 寒露末候:きりぎりす戸に在り』に移ろいました。
きりぎりすが戸口で鳴く頃になります。
秋も随分と深まり、一気に朝晩の冷えこみが肌に感じる頃となりました。また少し耳を澄ますと、夕暮れ時には虫の声が聞こえていて…。
こんな秋の風情は、野山ならば、昼間からもっと多くの虫の声を楽しむことができます。

皆さんのお住まいではいかがですか。
今回の節気の主役「こおろぎやきりぎりす」は、秋が深まって夜の気温が下がると、昼間に泣くようになり、気温が15℃以下になると、鳴かなくなってしまうそうです。
実は、この虫たちの「秋の音楽会」を少しずつ身近に感じられるようにこの時期なってきます。
古く「万葉集」などでも登場しているこおろぎの鳴き声の風情。
同様に、きりぎりすは別名「機織り虫」と呼ばれていたそうで、鳴き声が「ギーッチョン、ギーッチョン」と機織りの様に聞こえることから由来するとの事。
その声が気がつくと、ふと家の戸口で鳴いている!という現象が、「きりぎりす戸に在り」という様に、「家の戸口の近くで鳴いている」という言葉になっているのです。
秋が深まって、野山をにぎわせていたはずの虫たちが、だんだん平地でも家の近くでも鳴いているのは、実はそろそろ近づきつつある冬を象徴しているのだと思います。
そして、「虫たちも、人の住まいにこっそり近づいてくるのは、灯りや暖かさに惹かれてなのかな。」と想像すると、戸やベランダやお庭に紛れている虫たちが、昼間から光に集まってくるのも微笑ましくなり、私たちもそろそろ冬支度を始めようか…という季節である事を気付かせてもらっていると感じますね。

また、夕暮れが早くなっているこの時期、私たちも秋の夜長は過ごしやすい分、ぐっすりと睡眠を取りたいものです。
実はこの節気中にもう一つの隠れた記念日があります。
10月23日の「不眠の日」です。2と3の並びを「ふみん(不眠)」と呼んで、毎月23日設定されているとの事です。
日本人の5人に一人は、睡眠にまつわる不安を感じている事が明らかになっています。
過ごしやすい気温が続く秋は、乱れていた睡眠習慣を整えるのに最高の季節なのだそうです。
人間の眠気というのは「メラトニン」というホルモンによって、促されているとの事で、私たちが目覚めて光を感じると分泌が収まって、その後14〜16時間ほどするとまた分泌が始まるそう。
ですから、夜遅くまで起きているとホルモンのバランスが崩れ、昼間でも眠気が感じてしまう様になってしまいます。
秋の夜長の過ごしやすさを利用して、お風呂にゆっくり使ったり、温かい飲み物を飲んで腸を温めたり…。湯たんぽを活用し血行を足元から良くして、良い眠りについて、なるべく朝は同じ時間に起きるなど、さまざまな工夫で、体調を万全に整えていきたいものですね。


