
『秋分』初候、雷乃声を収む(かみなり、すなわちこえをおさむ)
みなさま、こんにちは。のレンリテール部の岩崎です。
昨日から大きく暦が変わり、秋分の日を迎えました。
七十二候は、秋分初候、雷乃声を収む(かみなりすなわちこえをおさむ)です。
秋分の日とは、地球が秋分点を通過する日で、一般的には昼と夜の長さが同じだと言われています(実際には、昼の方が少し長いそうです)
また、秋分の日はお彼岸の中日(七日あるお彼岸のちょうど真ん中の日)ということで、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことが趣旨とされています。
「暑さ寒さも彼岸まで」という有名な言葉があります様に、お彼岸は季節の変わり目を感じることができる日です。

農耕生活が中心だった時代、日本人は太陽を崇拝しており、気候が良いお彼岸は五穀豊穣を祈願する絶好の時期でした。
春分の日は種まきが始まる時期で、秋分の日は収穫の時期です。
そのため、春には収穫を祈り、秋には収穫を感謝してお供えをしたと言われています。昔からある日本の自然信仰と仏教の教えが結びつき、お彼岸は定着しました。

初侯の雷乃収声(かみなり、すなわちこえをおさむ)とは、夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃を云います。
雷は、大和言葉では「神鳴り」で、雷は神が鳴らすもの、神々が為せるわざと信じられておりました。また、稲作を生業とする農耕の人々にとっては、「稲妻」という言葉に象徴されるように、とても生活と結びついた身近な自然現象でした。
「稲妻」は雷の光のことであり、稲光(いなびかり)とも呼ばれ、「稲妻」は秋の季語になっております。
昔の人は稲穂は雷に感光して実ると信じていたようで、雷の稲との関係を夫婦に擬して「稲のつま(=妻・配偶者)」、即ち「いなづま」と呼ぶようになったそうです。

秋の空には、鱗雲(うろこぐも)が広がる姿も見かけるようになります。
日中は残暑も落ち着いて、秋らしい爽やかな陽射しに恵まれ、風も肌に優しく、とても心地よい時季です。
日暮れが早まって、秋の夜長の季節、澄みきった空気の中、虫の声は遠い空へと吸い込まれ、空に月も冴えて輝きます。
大地の恵みに感謝しながら、時には高い空を見上げて、すがすがしいこの季節を全身で感じて、心も澄まして充実した暮らしを心掛けたいものです。
