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のレンスタッフの写経体験日記

みなさん、こんにちは。祇園店の中屋です。

今回は、泉涌寺 別院 雲龍院で、約3年前に体験した写経をもとに、写経とは何か、どんな内容だったかなどを詳しくお伝えしようと思います。

まず、写経とは何でしょうか。

仏教のお経を書き写す“修行”のことです。

簡単に言うと、お経を書き写す事を“写経”といいます。

般若心経(はんにゃしんぎょう)というお経を書くのが一般的です。
沢山あるお経の中で、なぜ般若心経かというと、お経の文字数が300文字程度で、一時間程で書ける長さだからだそうです。私が体験した寺院でも般若心経でした。


【写経をすることで、どんな効果があるのか?】

1、字が綺麗になる

一文字一文字を丁寧に書くことを心がけます。
丁寧に書くことを意識すれば、自然と字が綺麗になっていきます。
さらに、お経では日常書かないような難しい字も多くあります。それらの難しい漢字をバランスなどを考えながら書くことで、日常で書くような簡単な漢字は綺麗に書けるようになるかもしれません。

2、心の安定に効果あり
写経をしている間は書くことに集中します。
写経をしているとき、他のことを考えてしまう等、集中が途切れると、その心の乱れは文字になって現れます。
自分で書いた文字を見ることで、自分の心を見つめることができます。
そのため、写経を通じて自分の心の状態に気づくことにより、心を安定させることができます。

3、脳の活性化に効果あり
ある研究によると“写経をしているときは普段よりも脳が活性化している”ということが分かっています。
これは、写経をしているとき脳に流れる血流が増えるためです。また、写経は意識を集中させ、手を動かすトレーニングとしても適しているため、認知症の予防や脳を鍛えることにも効果があります。

【どんな風に体験するの?道具は必要?】

写経ができるお寺により、日数は様々です。

私が体験した雲龍院では毎日受け付けをされていますが、南禅寺では毎月15日に開催されているようです。

予約の必要などもお寺によっては違うので、あらかじめ調べてから臨まれることをおすすめします。
写経に必要な道具は、お寺で用意してくださることが殆どのようです。

【雲龍院での写経の流れ】

ここからは、実際に体験した雲龍院での写経のルールをご紹介いたします。

1、丁子(ちょうじ)を一つ口に含み、口内を清めます。(写経を書き終わるまで口に含んだまま。終わると中庭に吐き捨てるよう指示がありました。)

2、塗香(ずこう)を手に塗り、体を清めます。

3、洒水(しゃすい)を頭に注ぎ、心を清めます。(実際にお水を頭からかぶることはなく、甕から柄杓ですくい上げ、頭にかけるフリをしたと思います。)

以上のことが終わると、好きな席に着き般若心経が薄く書かれている紙の上から、朱墨でなぞります。

全てなぞり終えたら、最後に心願(願い事)を“右為”に、そして住所、氏名を書きます。

片付けまでが修行、ということで硯箱や筆を整えます。

書きあがった写経は、収めることもそのまま持ち帰ることもできましたが、収めるとお寺の方で祈念してくれるとの事で、収めてきました。

その後、写経、収経が終わるとお抹茶を頂くことができ、思い思いの場所でゆっくりと味わうことができました。


雲龍院では、正座が難しい方用にテーブルの席もありました。

友人と体験しました時は「やっぱり正座でした方が雰囲気が味わえる!」と思いそうしましたが、痺れて痺れて全く集中できませんでした。
ですから、正座に自信のない方はテーブルの方が落ち着いて集中できると思います。(私も、次回はテーブルでします!)

お寺の雰囲気、静かに張り詰める空気、自然の香りを楽しめるので、実際にお寺に向かい、写経体験をすることをお勧めします。



祇園店
〒605-0074 京都府京都市東山区祇園町南側582 1F
10:30〜22:00

当店のレンは、暖簾(のれん)を潜ってもらい、お客様にまだ知られていない日本の奥深い暮らしの考え方や工夫、魅力を伝えたいという想いで誕生しました。

永く愛されるもの、古きを温めて現代の生活を取り入れたくなるもの、自然素材のもの、生産者さま・作り手さまの温もりが感じられるもの、などを品揃えして、節目ごとにふと立ち寄りたくなるようなお店を目指し、丁寧により豊かに過ごすことができるようにと皆様をお待ちしております。